うさぎの子宮疾患(子宮の癌肉腫)

写真は血尿を主訴に来院した2歳のウサギのお尻周りの様子です。

血混じりの尿が被毛に付着していることが分かります。

ウサギの血尿の原因としては尿路結石や膀胱炎、子宮疾患等が考えられます。

この症例は診察時に触診で腹部にしこりが触れたので、超音波検査を実施しました。

 

超音波検査では子宮が直径3㎝程に拡張し、内腔に大きな腫瘤が確認されました。

このことから、子宮の疾患による血尿と診断し、後日、卵巣子宮摘出術を行うことになりました。

写真はお腹から子宮を出している所です。

左右とも子宮が腫れ、特に左側の子宮角は大きく、内部には3㎝ほどの腫瘤が確認できました。

子宮内腫瘤の病理検査を行った結果、「癌肉腫」という腫瘍であることが分かりました。

 

ウサギは他の動物に比べ、子宮や乳腺の疾患に罹りやすいことが知られています。特に子宮の病気は多くみられ、今回のような腫瘍性疾患も若いうちから発症することがあります。そのため、ウサギも犬や猫と同様に避妊手術をすることが推奨されています。

このように、血尿がみられた場合、子宮の病気が原因であることが多く、手術が必要となるため注意が必要です。