膝蓋骨脱臼(いわゆるパテラ)はトイプードルやチワワ、ヨークシャーテリア、ポメラニアンなどのトイ犬種に多く見られる異常です。
スキップのような歩行や足の挙上が典型的な症状です。気付きにくい症状として、腰を落とすように歩く、足を投げ出すように座るなどが挙げられます。
成長期に膝の滑車溝が発達しない、脛骨が内旋しているなどの骨格的な問題や外傷により発症します。
通常は触診で脱臼の状態を把握することができます。脱臼の仕方によりグレード1〜4まで分類されます。レントゲン検査で骨格の変形の程度や、他の疾患との鑑別を行うこともあります。
脱臼の程度や症状、年齢、性格など総合的に判断して治療計画を考えます。
当院では症状が強い場合や、骨の変形が進行する可能性のある若齢犬には手術をお勧めしています。軽症の場合は痛み止めを処方して、安静にすることで症状が改善することも多いです。
手術する場合は、滑車溝の造溝と脛骨粗面の転移、内側支帯のリリース、関節包の縫縮術を組み合わせて、できるだけスムーズに関節が動くように整復しています。
手術後は10日程度の入院をお願いしています。
なるべく早期にリハビリを行い、スムーズに関節が動くようにします。